TSUKUBA TOMMOROW LABO

FEATURES2022.03.25

つくばから”漫画家になりたい”の思いを育てる|東風実花(はるかぜ みか)

「TSUKUBA TOMORROW LABO」とは、“世界のあした”を考え、実験・実行していくつくば市のプロジェクト。つくば市では、新型コロナウイルス感染症が日常生活にもたらした大きな変化に対し、独自のアイデアやテクノロジーを駆使した取り組みやチャレンジを積極的に導入・支援しています。コロナ収束の目途が立たない中、アイデアをカタチにして、With/Afterのコロナ社会に新しい価値やサービスを提供している、つくばの方々をシリーズでご紹介します。
今回は、プロ漫画家でありながら、つくば市内で少女向けのマンガ・イラスト教室を主宰する、東風実花(はるかぜ みか)さんに話を伺いました。


つくば市を舞台にしたSFコメディーマンガ「すいへーりーべ!」の作者でもある現役プロマンガ家であり、2011年からつくば市内で少女向けに「東風実花マンガ・イラスト教室」を主宰している東風実花さん。教室には小学生から高校生が在籍しており、ひとりひとりの個性を伸ばすアドバイスをしながら、年に4回発行する「会誌」による作品発表の場を提供しています。
「教える、という感覚は無いんですよ。ここに通っている人には年齢に関わらず“作家さん”としてリスペクトを持って接しています。もちろん技術的なアドバイスはしていますが、作品に対して否定や誘導はしません。それぞれが持っているキラリと光る個性を伸ばすお手伝いをしたいと思っています」

つくば市立吾妻幼稚園、吾妻小学校、吾妻中学校、県立竹園高校と幼稚園から高校までをつくばで過ごした東風さん。「友人の影響もあり小学校時代からギャクマンガを描き始めました。中学生になるとアニメやライトノベル(若者向けの娯楽小説)にのめり込み、『同人』を知ってからはイベントに行ったり鉛筆書きでノートに作品を描いてみたり。高校でイラスト部に入部すると、つけペンやトーンを使って初めて同人誌を製作しました。印刷屋さんで印刷・製本された同人誌を手にしたときの感動が教室を開くきっかけです」。

世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット」には高校時代の初出展を皮切りに、千葉大学進学後には毎回参加。並行して独学でwebや印刷用デザインの技術を習得し、就職した会社で印刷デザイナーとして活躍しながらマンガ製作を続けていたところ、出版社の目に止まり2006年にマンガ家としてデビューを飾りました。
大学進学と同時につくばを離れた東風さんですが、webデザインや商業マンガ製作で独立すると、スキルを地元に還元したいとUターン。少女向けのマンガ・イラスト教室は全国でも珍しいこともあり、遠方からの問い合わせも多いことから2020年にYouTubeで「東風実花マンガ・イラストちゃんねる」を開設しました。

 

 

「東風実花マンガ・イラストちゃんねる」では、新型コロナウイルス感染症の拡大が広がる中で「マンガ・イラストを描くためのおすすめ画材」「アイデアの出し方」「原稿用紙の使い方」など、家にいながらマンガやイラストに関するノウハウを習得できる情報を惜しみなく発信しています。
「つくば市オンラインによる文化芸術奨励事業」に応募し採択されると、つくば市公式「つくばアートチャンネル」にキャラクターデザイン作りのヒントになる動画「漫画の設定をサイコロを振って作ってみよう!」を投稿しました。
「with/afterコロナの時代に、どこにいてもマンガやイラストを楽しめるような動画を投稿することで、つくば市から作品作りを応援していきたいと思います」

漫画の設定をサイコロを振って作ってみよう!【つくば市オンラインによる文化芸術奨励事業/ワークショップ動画制作部門】

 

東風実花(はるかぜ みか)
漫画家。少年ブラッド(FlexComix)にて「すいへーりーべ!」、まんがタイムきららフォワード(芳文社)にて「わたしたちは皆おっぱい」を連載。

東風実花 -Mika Harukaze-

一覧へ戻る